医療用ウイッグ(かつら)とは
医療用ウイッグ(かつら)とは、抗がん剤治療による脱毛などでお悩みの方が、一時的に着用するウイッグのことを言います。
平成27年4月、医療用ウイッグのJIS規格が制定されました。この規格では直接頭皮に接触する部分に対しての皮膚刺激数や有害物質の検出度、使用頻度が高くなることに対しての耐久面の性能など、それぞれの試験方法などを細かく定めたものですが、抗がん剤治療の患者様が使用するウイッグには、脱毛によるサイズ変化、頭皮を保護する工夫など、さらにいくつかの必要なポイントがあると当社は考えています。
ここでは、当社が考える医療用ウイッグの機能やサービスについてご紹介させていただきます。
医療用かつらに必要な8つのポイント
1. 毛量の変化への対応
抗がん剤治療では、患者様によって脱毛する髪の量は、治療開始直後から脱毛期、脱毛期から回復期と短い期間で大きく変化することがあります。 特に罹病前の普段の髪型がセミロングより長い方や生まれつき髪の量が多い方の場合は顕著になることでしょう。そんな時に使用する医療用ウィッグ(かつら)には、髪の状態に合わせて柔軟に対応できる機能が備わっていればウィッグ着用中の不安を軽減できます。
「フィットミー」のインナーキャップ方式なら、サイズの変化も自由自在です。
2. デリケートな頭皮への対策
抗がん剤の副作用で頭皮はとてもデリケートな状態になりますので、この時に直接頭皮に触れる帽子やウィッグは、できるだけ刺激の少ない優しいものを利用する方が良いと思われます。脱毛前の頭皮が髪によって外気や紫外線から守られていたことを考慮するとなおさらです。医療用ウィッグには、植毛されている毛髪の付け根部分(結び目)が直接肌に触れないような配慮や敏感肌にも優しい素材のものが求められます。
「フィットミー」なら、結び目が直接頭皮に触れることはありません。
3. 着用時の不安の解消
髪が無い状態の時ずれたり、外れたりしないか不安・・・というご意見はウィッグがフィットしていないことや、ずれを防止する対策がされていないことから起こりますが、これは髪がある時にウィッグを選んだからかもしれません。弊社でも医療用以外のウィッグには周囲調整アジャスターがついていますが、周囲寸法は髪の増減であまり変わりません。特に抗がん剤治療患者が利用する医療用ウィッグには、周囲調整アジャスター以外にも頭にフィットする機能が必要と考えています。
4. 見た目のおしゃれさ
ウィッグは自然でおしゃれが理想的ですが、「自然」を追求すればするほど「不自然」を意識しがちになり、それに囚われると闘病生活においてはマイナス要因になりかねません。私たちのウィッグは、「似合う」「似合わない」か「おしゃれ」か、を念頭にスタイル作りを心がけています。普段出来なかったカラーを選んだり、初めてショートスタイルに挑戦したり、それに似合う洋服を・・靴を・・ 。ウィッグにはそんなおしゃれに前向きな気持ちになるような役割を担ってほしいと考えています。
「フィットミー」なら、ユーザ様の声から医療用とは思えないデザイン。
5. 使用者目線の機能
夏だけでなくウィッグ着用中はどうしても汗をかいてしまいます。かいた汗はそのままウィッグにも影響しますので臭いや雑菌の繁殖による頭皮への悪影響は絶対に避けなければなりません。そのため医療用ウィッグには、菌の繁殖を抑える加工が施されているか、もしくはシャンプーなど清潔さを保つためのメンテナンスのしやすさなど、これらは日常的に着用することを想定した工夫の例ですが、使用者目線でどのような機能や工夫がそなわっているかにも着目したいものです。
「フィットミー」には、治療に専念していただくための工夫があります。
6. 着け心地
着用感はウィッグを日常的に使用する時間が長いほど重要度が高くなりますので、サイズの安心感・締め付け度・お肌との接触感、あとは総合的なしっくり度での判断になります。ウィッグは、製法や髪質、裏地などの素材はメーカー各様なので、お好みのものを見つけるためには多くのメーカーのものを試してみることも大切です。また購入後はご自身でウィッグの下に着けるネットやインナーキャップを試したり、ガーゼなどで着け心地を微調整することも必要かもしれません。
「フィットミー」なら、いつも清潔・快適にご利用いただけます。
7. 価格帯や信頼性
医療用ウィッグは価格の妥当性が分からない商品の一つです。それは商品そのものよりも既製品かオーダーか、対面販売か通販かなどサービス内容によるところが大きいようです。残念ながら医療用かつらの場合、健康保険や高額医療費等の適用がありませんので、まずはご予算を決めその範囲内で複数のメーカーを比べてみることが大切です。2015年4月に制定された医療用ウィッグのJIS規格取得のメーカーは一つの判断基準となりますし、お住まいの自治体によってはウィッグの購入代金の一部を個別に助成する制度も始まっていますので、助成制度がある自治体の記事で紹介しています。
8. すぐに着用できるか
医療用ウイッグをいつ購入するかは悩ましい問題です。特にオーダーメイド品の場合は、一か月以上かかる場合が多く、脱毛期に間に合わない場合や、脱毛後にあわてて注文すると入手が毛髪の回復期に入りサイズが合わないという場合も。医療用ウイッグは、ご購入後すぐに着用ができ、脱毛の状態に合わせてサイズ調整が柔軟にできるものがベターです。